子どものスマホとタブレットを安全に使わせる設定と道具
対象の目安: 子どもを持つ保護者 / 入門

子どもにスマートフォンやタブレットを持たせるとき、まず何を買えばよいかと考える保護者は少なくありません。けれども守りの土台は、すでに端末に入っている無料の機能と、キャリアが無料で提供するフィルタリングでほぼ作れます。この記事は、機種ごとの標準機能の使いどころと家庭内のルールづくりを整理したうえで、それでも足りない家庭に向けて製品の選び方を率直にお伝えします。製品は土台を整えた後の補助です。なお本記事はアフィリエイトリンクを含みます。紹介する製品の効果や適合性を保証するものではなく、購入判断はご家庭の利用環境に照らしてお願いします。詳細は広告・アフィリエイトについてをご覧ください。
子どもの端末利用で守りたい範囲を先に決める
子どもの端末を守るといっても、対象は一つではありません。守りたい範囲を先に分けておくと、設定も道具選びも迷いにくくなります。具体的には、有害なコンテンツへの接触、想定外の課金やアプリの入手、長時間の利用、そして居場所や個人情報の扱いという四つに分けられます。
これらは性質が異なるため、効く対策も変わります。有害コンテンツへの接触はフィルタリングと年齢別のコンテンツ制限が中心になります。課金やアプリの入手は購入承認の仕組みで止めます。利用時間は時間帯と上限の設定で管理します。居場所や個人情報は位置情報の共有範囲とアプリの権限を絞ることで守ります。一つの製品や設定がすべてを兼ねるわけではない点を、はじめに押さえておく必要があります。
そのうえで、子どもの年齢と理解度によって重みづけは変わります。小学校低学年であれば強い制限から始め、成長に合わせて緩めていく形が無理がありません。中高生になると、強い制限よりも自己管理を促す関わりのほうが効く場面が増えます。守りたい範囲を四つに分け、年齢に応じてどこを厚くするかを家庭ごとに決めることが出発点になります。
まずOS標準とキャリアの無料機能で土台を作る
守りの土台は、追加の出費なしで作れます。スマートフォンやタブレットには保護者向けの管理機能が標準で備わっており、キャリアもフィルタリングを無料で提供しているためです。製品を検討する前に、この無料の土台を使い切ることをおすすめします。
iPhoneとiPadでは、スクリーンタイムが保護者向けの管理機能にあたります。Appleのサポート情報によると、スクリーンタイムでは露骨な表現を含むコンテンツやアプリの年齢区分による制限、アプリの購入やダウンロードの制限、各種プライバシー設定の管理ができます。保護者のAppleアカウントとファミリー共有でつなぐと、保護者の端末から子どもの端末の制限を設定して管理できます。
Android端末では、Googleのファミリーリンクが同じ役割を担います。Googleのヘルプによると、ファミリーリンクは保護者が子どものGoogleアカウントとAndroid端末を管理するための無料アプリで、利用時間の上限や就寝時間の設定、アプリの利用状況の確認、Google Playでの購入やダウンロードの承認制、端末の位置情報の確認といった機能を備えています。保護者側はiPhoneやiPadからもファミリーリンクのアプリを使えます。Windowsを使わせる場合は、Microsoftのファミリー機能(Family Safety)が同様の管理を担います。
加えて、回線側のフィルタリングも利用できます。ドコモ、au、ソフトバンクなどの主要キャリアは「あんしんフィルター」の名称でフィルタリングサービスを無料で提供しており、有害なサイトやアプリへのアクセス制限、利用時間の管理を中心とした機能を備えています。ただし、提供条件や機能の範囲は契約先やOS、時期によって差があります。たとえばauはあんしんフィルターの位置情報のエリア検索を2026年3月に終了しており、位置情報の確認はキャリアの別サービスや、OS標準機能、ファミリーリンク、専用のGPS端末で行う方が確実です。MVNO(格安SIM)では無料や申込不要が一律とは限らないため、契約先の公式案内で条件を確認してください。OS標準の管理機能が端末内の制限を担うのに対し、キャリアのフィルタリングは通信の入口で有害なサイトを遮る役割を持つため、両方を併用すると守りに厚みが出ます。
このフィルタリングには、法律上の後押しもあります。こども家庭庁の解説によると、青少年インターネット環境整備法は2018年(平成30年)2月施行の改正で、携帯電話事業者等に対し、18歳未満が使う端末の契約時にフィルタリングの説明と提供、設定の支援を行うよう求めるようになりました。原則としてフィルタリングの設定が必要ですが、保護者が必要としない旨を申し出た場合などの例外もあります。子どもが使う端末でフィルタリングが標準的に案内されるのは、この法律が背景にあります。事業者まかせにせず、設定が有効になっているかを保護者が確認しておくと安心です。
コンテンツ制限と課金制限と利用時間と位置情報を整える
土台を入れたら、四つの基本設定を子どもの年齢に合わせて整えます。OSやキャリアによって画面の名称は異なりますが、考え方は共通です。
第一に、コンテンツ制限です。アプリや動画、ブラウザの閲覧に年齢区分の制限をかけ、子どもの年齢に合わない内容を表示させないようにします。低年齢ほど制限を強くし、成長に合わせて区分を緩めていくと無理がありません。
第二に、課金とアプリ入手の制限です。アプリの購入やアプリ内課金、ダウンロードを保護者の承認制にすると、子どもが意図せず課金したり不適切なアプリを入れたりするのを防げます。スクリーンタイムやファミリーリンクには、この承認の仕組みが標準で用意されています。
第三に、利用時間です。一日の利用上限や就寝時間帯の使用停止を設定し、生活のリズムを崩さないようにします。平日と休日で上限を変えられる機能もあるため、家庭のリズムに合わせて調整します。
第四に、位置情報の扱いです。見守りのために居場所を共有する設定は便利な一方、共有する相手と範囲は最小限に絞る必要があります。あわせて、各アプリに与える位置情報やカメラ、マイクの権限を見直し、必要のないものはオフにしておきます。
無料機能で土台を作る手順
- 1
子どもの端末の機種(iPhone/iPad、Android、Windows)を確認する
- 2
iPhone/iPadはスクリーンタイム、Androidはファミリーリンク、WindowsはFamily Safetyを保護者のアカウントとつないで有効にする
- 3
契約中のキャリアの「あんしんフィルター」等を申し込み、フィルタリングが有効か確認する
- 4
コンテンツ制限を子どもの年齢に合わせて設定する
- 5
アプリの購入とダウンロードを保護者の承認制にする
- 6
一日の利用上限と就寝時間帯の使用停止を設定する
- 7
位置情報の共有範囲とアプリの権限を最小限に絞る
家庭内のルールと話し合いが土台になる
設定をどれだけ厳しくしても、それだけで子どもを守りきることはできません。子どもは友達の端末を借りたり、制限の回避方法を調べたりすることがありますし、何より制限の理由が伝わらなければ、隠れて使う動機を生んでしまいます。技術的な制限は、家庭内のルールと話し合いとあわせて初めて働きます。
ルールづくりでは、保護者が一方的に決めるよりも、子どもと一緒に決めるほうが守られやすくなります。利用してよい時間帯や場所、困ったことが起きたときに保護者へ相談する約束など、具体的な行動を子ども自身の言葉で確認しておくと、制限の意味が伝わります。なぜ課金を承認制にするのか、なぜ夜は使えないようにするのかという理由を、年齢に応じて説明することも欠かせません。
トラブルが起きたときの対応も、あらかじめ話しておくと効果があります。見知らぬ相手から連絡が来た、不安になる画像を見た、課金してしまったといった場面で、叱られるのを恐れて隠すのではなく、まず保護者に相談できる関係を作っておくことが、結果として子どもを守ります。制限は接触を減らすための道具であり、相談できる関係づくりがその外側を支えます。両方がそろって、はじめて守りが機能します。
メモ
制限を強くするほど安全になるとは限りません。理由が伝わらないまま厳しくすると、子どもが回避策を探したり隠れて使ったりする動機を生み、かえって把握しづらくなることがあります。年齢に応じて制限を調整し、なぜその制限があるのかを話し合うことが、設定そのものと同じくらい守りに効きます。
無料設定で足りない部分を補う製品の選び方
ここまでの無料の土台と家庭内のルールで、多くの家庭は必要な守りをまかなえます。そのうえで、無料設定だけでは足りない事情がある家庭に向けて、補助となる製品を整理します。前提として、これらは土台の代わりではなく、足りない部分を補う道具です。
補助となる製品はおおむね三種類に分かれます。守りたい範囲のどこを補いたいのかを先に決めると、選びやすくなります。
- キッズ向けタブレット:子ども向けの管理機能やコンテンツがあらかじめ用意された端末。低年齢の子に専用機を持たせたい場合や、設定の手間を減らしたい場合に向きます。一般的なタブレットにOS標準の管理機能を入れても同じことができる場合が多いため、専用機が要るかを先に見極めると無駄がありません。
- GPS見守り端末:通話やインターネットの機能を絞り、居場所の共有を主目的とした端末。まだスマートフォンを持たせたくないが居場所は把握したい、という低年齢の子の見守りに向きます。スマートフォンの位置情報共有で足りる場合もあるため、必要性を確かめてから選びます。
- 有料の見守りやフィルタリングアプリ:OS標準やキャリアの無料機能では届かない範囲を補う有料アプリ。詳細な利用レポートや横断的な管理を求める家庭向けです。まず無料機能を使い切り、不足が明確になってから検討するのが順序です。
選ぶときは、効果を誇張する宣伝に流されないことが基本です。製品ページが完全な安全をうたっていても、無料の土台と家庭内のルールを置き換えられるものではありません。具体的な型番や価格は変わりやすいため、購入前に対応OSや必要な月額費用、子どもの年齢に合うかを公式情報で確かめてください。
キッズ向けタブレット(子ども用)
広告子ども向けの管理機能やコンテンツがあらかじめ用意されたタブレットのカテゴリです。低年齢の子に専用機を持たせたい場合や、初期設定の手間を減らしたい場合に向きます。一般的なタブレットにOS標準の管理機能(スクリーンタイムやファミリーリンク)を入れても同等のことができる場合が多いため、専用機が本当に要るかを先に見極めてください。購入時は対象年齢と、保護者がどこまで細かく管理できるかを製品ページで確認することをおすすめします。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
GPS見守り端末(子ども用)
広告通話やインターネットの機能を絞り、居場所の共有を主目的とした端末のカテゴリです。まだスマートフォンを持たせたくないものの、登下校時などに居場所を把握したい低年齢の子の見守りに向きます。すでにスマートフォンを持たせている場合は、OS標準の位置情報共有で足りることも多いため、専用端末の必要性を確かめてから選んでください。月額の通信費がかかる製品もあるため、費用も含めて公式情報で確認することをおすすめします。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
子ども向け見守り・フィルタリングアプリ(有料)
広告OS標準やキャリアの無料機能では届かない範囲を補う有料の見守り・フィルタリングアプリのカテゴリです。詳細な利用レポートや、複数端末をまとめて管理する機能を求める家庭向けです。まずは無料のスクリーンタイムやファミリーリンク、あんしんフィルターを使い切り、不足が明確になってから検討するのが順序です。購入時は対応OSと月額費用、提供している機能が自家の不足を埋めるものかを公式情報で確認することをおすすめします。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
設定と話し合いを整えるためのチェックリスト
無料の土台から家庭内のルールまでを、順に確認できるようにまとめます。製品の検討は、このチェックを終えてからで遅くありません。
子どもの端末を安全に使わせるためのチェックリスト
- 端末の機種に応じて、スクリーンタイム/ファミリーリンク/Family Safetyを保護者アカウントとつないだ
- 契約中のキャリアの「あんしんフィルター」等を申し込み、フィルタリングが有効になっているか確認した
- コンテンツ制限を子どもの年齢に合わせて設定した
- アプリの購入とダウンロードを保護者の承認制にした
- 一日の利用上限と就寝時間帯の使用停止を設定した
- 位置情報の共有範囲と各アプリの権限を最小限に絞った
- 利用のルールを子どもと一緒に決め、制限の理由を年齢に応じて説明した
- トラブル時にまず保護者へ相談する約束を確認した
- 製品を検討する場合は、無料設定で足りない部分が何かを明確にしてから選んだ
子どもの端末を守る順序は、無料の土台、家庭内のルール、それでも足りない部分を補う製品の三段階です。OS標準の管理機能とキャリアの無料フィルタリングで多くの守りはまかなえ、その効き目を支えるのが家庭内のルールと話し合いです。製品はこの土台を置き換えるものではなく、専用機が必要な低年齢の子や、無料機能では届かない範囲を補いたい家庭が、不足を見極めたうえで選ぶ道具にあたります。あわせて、家庭のネットワークそのものの守りや、家庭内に置く見守りカメラの注意点、保護者自身の端末の対策は、関連記事を参考にしてください。
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