迷惑電話と特殊詐欺から高齢の家族を守る対策
対象の目安: 高齢の家族を守りたい人や本人 / 入門

固定電話に知らない番号からかかってきて、役所や警察、家族を名乗る相手にお金の話を持ちかけられる。電話を起点にした特殊詐欺は、いまも高齢者を中心に被害が続いています。対策グッズとして迷惑電話防止機能つきの電話機や通話録音アダプタが売られていますが、それを買えば安心というわけではありません。最も効くのは、知らない番号に出ない、お金や還付の話は一度切ってかけ直す、家族で合言葉を決めるといった行動です。この記事は、手口と現況を確認したうえで、まず効く行動の対策を主に据え、希望する人向けに機器の選び方を補助として整理します。なお本記事はアフィリエイトリンクを含みます。紹介する製品の効果や適合性を保証するものではなく、購入判断はご自身の利用環境に照らしてお願いします。詳細は広告・アフィリエイトについてをご覧ください。
電話を起点にした特殊詐欺の手口と現況
特殊詐欺は、面識のない相手に電話などで嘘を信じ込ませ、お金やカードをだまし取る犯罪の総称です。警察庁の統計によると、2025年(令和7年)の被害は認知件数が約2万8千件、被害額が1,400億円を超え、いずれも過去最多となりました。被害者が犯人から最初に接触される手段は電話が約8割を占めます。従来は65歳以上の高齢者の被害が中心でしたが、2025年は20代や30代といった若い世代にも被害が広がっています。
手口にはいくつかの型があります。家族を装って至急の送金を求めるオレオレ詐欺、役所や金融機関の職員を名乗り税金や保険料が戻ると告げてATMへ誘導する還付金詐欺、警察官を名乗って口座が犯罪に使われていると不安をあおるニセ警察詐欺などです。2025年は、この警察官をかたる手口が急増し、オレオレ詐欺の多くを占めるようになったと警察庁が報告しています。どの型も、相手をその場で動揺させ、考える時間を与えずにお金を動かさせるという共通点があります。
固定電話が在宅中につながりやすく、日中に家にいる高齢者が応対しやすいことから、固定電話を利用する世帯では電話を起点とする手口に注意が要ります。手口の特徴として、複数の人物が役割を分けて電話をかけてくる演出があります。国民生活センターは還付金詐欺について、役所の職員を名乗る最初の電話のあとに金融機関の担当を装う電話が続くなど、複数の登場人物で信じ込ませる手口を注意喚起しています。一人の判断で見抜きにくい構造になっているため、機器だけでなく、本人と家族の備えを合わせて考える必要があります。
まず効くのは出ない、かけ直す、合言葉を決める
機器の前に、費用をかけずに今日から始められる行動の対策があります。最初の接触の多くが電話である以上、固定電話を利用する世帯では、電話に出る前後の振る舞いが守りの中心になります。
第一に、知らない番号には出ないことです。在宅中でも留守番電話の設定を常時オンにしておけば、用件のある相手はメッセージを残します。詐欺の電話は録音や折り返しを嫌うため、留守番電話で受けるだけで接触の機会を減らせます。番号を確認してから出る習慣をつけ、心当たりのない番号は一度メッセージに任せるのが基本です。
第二に、お金や還付の話が出たら一度切って公式番号にかけ直すことです。役所や金融機関、警察が電話で送金やATM操作を求めることはありません。相手が示す番号ではなく、自分で調べた公式の連絡先にかけ直して事実を確かめます。国民生活センターは、お金が戻るという電話は還付金詐欺であり、会話を続けず一度電話を切るよう促しています。ATMを操作して還付金が戻ることは仕組み上ありえないため、ATMへ行くよう言われた時点で詐欺と判断してよい場面です。
第三に、家族で合言葉を決めておくことです。家族を装う電話に備え、本人と家族だけが知る合言葉を決めておくと、急な送金を求める電話が来たときの手がかりになります。ただし合言葉はあくまで補助です。家族構成や個人情報が事前に調べられている場合もあるため、合言葉が返ってきても安心せず、いったん電話を切って、登録済みの本人の番号にかけ直して確かめるのが確実です。あわせて、ふだんから様子を尋ね合う関係をつくることが効きます。国民生活センターも、家族が気づく兆候や親子間のやり取りといった見守りが被害防止の助けになると述べています。一人で抱え込ませない関係づくりが、機器よりも先に立つ対策です。
不審な電話を受けたときの行動
- 1
知らない番号には出ず、まずは留守番電話で用件を確認する
- 2
お金や還付、ATM操作の話が出たら、その場で判断せず一度電話を切る
- 3
相手が伝えた番号ではなく、自分で調べた役所や金融機関の公式番号にかけ直して事実を確かめる
- 4
家族で決めた合言葉を尋ね、家族を装う電話かどうかを確認する
- 5
少しでも不安なら、家族や警察相談専用電話(#9110)、消費者ホットライン(188)に相談する
機器でできることとその機構
行動の対策を土台にしたうえで、機器は接触そのものを減らす補助として役立ちます。迷惑電話防止機能つきの電話機や後付けの通話録音アダプタが備える機能は、主に四つに整理できます。それぞれが何を狙った仕組みかを理解しておくと、過大な期待をせずに選べます。
着信前の警告アナウンスは、相手が話し始める前に「この通話は防犯のために録音されます」といったメッセージを流す機能です。警察庁は、声や証拠を残されることを嫌う犯人への抑止を意図した機能として、こうした防犯機能つき電話機の導入を推奨しています。自動通話録音は、出てしまった通話も内容を記録する機能で、後から家族と確認したり相談に使ったりできます。これらは相手に心理的な抑止をかける仕組みであり、詐欺の電話を物理的に遮断するものではない点は押さえておく必要があります。
特定番号の着信拒否とナンバーディスプレイの併用は、かかってくる電話を選別する仕組みです。警察庁の説明では、非通知の電話を呼び出し音を鳴らさずに拒否したり、登録していない番号からの着信に注意を促したりする機能があり、これらはナンバーディスプレイの契約を前提とします。番号が表示されれば、出る前に相手を見分けやすくなります。ただし、番号は偽装されることがあり、登録外でも正規の連絡が含まれるため、拒否設定だけに頼ると必要な電話を取りこぼす可能性があります。機器の選別と、出ない、かけ直すという行動を組み合わせることで、はじめて実効的な守りになります。
機器の導入を後押しする動きとして、自治体や警察が録音機の貸与を進めている例があります。大阪市は65歳以上の高齢者を対象に、固定電話と回線の間に接続する自動通話録音機を無償で貸し出しており、着信時に録音する旨の警告アナウンスが流れる仕組みです。工事や工具は不要とされています。同様の貸与や設置補助は各地の自治体で行われているため、購入の前に、お住まいの自治体や警察に貸与制度があるかを確かめるのも一つの方法です。
機器の選び方と高齢者への配慮
機器を導入すると決めたら、いまの電話環境と、使う人の慣れに合わせて選びます。大きく分けて、固定電話機ごと迷惑電話防止機能つきに置き換える方法と、いまの電話機に後付けの録音アダプタや着信拒否機器を足す方法があります。
固定電話機を置き換える方法は、警告アナウンスや録音、着信拒否を一台にまとめられるのが利点です。電話帳に登録した相手かどうかで着信時の動きを変えられる機種もあり、設定が一か所で済みます。一方で、ボタンの配置や操作が変わるため、使い慣れた電話から替えることに高齢の利用者が戸惑う場合があります。後付けのアダプタや着信拒否機器は、いまの電話機をそのまま使いながら警告アナウンスや録音を足せるのが利点で、操作の変化を小さく抑えられます。回線との接続方式が機器によって異なるため、自宅の回線(光電話やアナログ回線など)に対応するかを購入前に確認します。
高齢の利用者が無理なく使えるかどうかを、機能の多さより優先します。具体的には、設定項目が少なく初期状態で防犯機能が効くこと、表示や文字が大きく見やすいこと、録音内容を家族が後から確認しやすいことなどが選ぶ目安になります。設定は本人任せにせず、家族が初期設定を済ませてから渡すと、機能が使われないまま終わる失敗を避けられます。製品ページの「詐欺を完全に防ぐ」といった表現はうのみにせず、機器はあくまで接触を減らす補助だと捉えて選ぶのが、費用と効果の見合った判断です。
迷惑電話防止機能つき固定電話機
広告着信前の警告アナウンスや自動録音、登録外の番号への注意表示などをまとめて備えるとうたう固定電話機のカテゴリです。設定を一台に集約できる反面、操作が変わるため、高齢の利用者には文字や表示の見やすさと設定の少なさを優先して選んでください。着信拒否や番号表示を活かすにはナンバーディスプレイの契約が前提になる機種があります。家族が初期設定を済ませてから渡すと使われやすくなります。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
通話録音アダプタ(後付けタイプ)
広告いまの固定電話を替えずに、回線との間に接続して警告アナウンスや自動録音を足すとうたうアダプタのカテゴリです。操作の変化を小さく抑えられるため、電話機を替えたくない場合に向きます。自宅の回線方式(光電話やアナログ回線など)に対応するかを購入前に確認してください。録音内容を家族が確認しやすい仕様かどうかも選ぶ目安になります。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
着信拒否機器(特定番号の拒否)
広告非通知や登録外の番号からの着信を拒否、または注意を促すとうたう機器のカテゴリです。番号での選別を助けますが、番号は偽装されることがあり、登録外でも正規の連絡が含まれるため、拒否設定だけに頼らず、出ない、かけ直すという行動と組み合わせて使ってください。番号表示を活かすにはナンバーディスプレイの契約が前提になります。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
家族で支える視点
電話を起点にした詐欺は、本人だけで見抜くのが難しい場面が多くあります。複数の人物が役割を分けて畳みかけ、考える時間を奪う手口だからです。だからこそ、機器の導入も含めて、家族が関わる前提で備えを組むことが効きます。
具体的には、合言葉を決めておくことに加え、お金や還付の話が出たら必ず家族に一度相談するという約束を共有しておきます。録音機能つきの機器を入れたなら、残った通話を家族が一緒に確認する習慣をつけると、不審な電話に早く気づけます。離れて暮らす場合でも、定期的に連絡を取り、最近かかってきた電話の話題を尋ねるだけで、被害の芽を見つけやすくなります。国民生活センターも、家族の見守りと親子間のやり取りが被害防止の助けになると述べています。
迷惑電話への対策は、電話だけでなく、SMSやメールを使った詐欺とも地続きです。電話で信じ込ませてからSMSへ誘導する手口もあるため、関連する備えもあわせて確認しておくと安心です。だます心理を突く手口の全体像や、SMSを使ったフィッシング、偽サイトへの誘導を見抜く基本も、それぞれ関連記事で整理しています。
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電話を起点にした詐欺への備えチェックリスト
- 知らない番号には出ず、留守番電話を常時オンにして用件を確認している
- お金や還付やATMの話が出たら一度切り、自分で調べた公式番号にかけ直す
- 家族で合言葉を決め、お金の話は必ず家族に相談する約束を共有した
- 機器を入れる前に、自治体や警察の録音機貸与制度の有無を確認した
- 機器を選ぶなら、置き換えか後付けかを決め、操作の簡単さと見やすさを優先した
- 録音内容を家族が一緒に確認し、定期的に連絡を取り合って様子を尋ねている
迷惑電話と特殊詐欺への対策で先に立つのは、機器ではなく行動です。知らない番号に出ない、お金や還付の話は一度切って公式番号にかけ直す、家族で合言葉を決める。この三つを土台にしたうえで、着信前の警告アナウンスや自動録音、番号での着信拒否といった機器を補助として加えると、接触の機会を減らせます。機器は詐欺を完全に防ぐものではなく、本人と家族の備えを支える道具です。導入の前に自治体の貸与制度を確かめ、使う人が無理なく扱える一台を、家族で一緒に選んでください。
出典・参考
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