偽の通販サイトを見分ける方法と注文後の対処
対象の目安: ネット通販を使う一般利用者

偽の通販サイト(詐欺ショッピングサイト)は、商品の注文と代金の振り込みを受けたうえで商品を発送しない、または偽物を送りつける手口です。警察庁はこうしたサイトを偽ショッピングサイトと呼び、注意を呼びかけています。多くの場合は正規の通販サイトの商号やデザイン、商品写真をそのまま盗用しているため、見た目だけで本物と区別するのは難しくなっています。
引き寄せの起点になるのは、相場より大幅に安い価格です。検索結果やSNSの広告から流入した購入者が、お得に見える価格に惹かれて注文を済ませ、その後に商品が届かない、または偽物が届くと気づく流れが報告されています。支払い方法は銀行振込やクレジットカードの前払いだけでなく、代金引換が使われる例もあります。国民生活センターは令和7年8月に、インターネットショッピングのトラブルに関する相談が増えていると注意を呼びかけ、代金引換で受け取った商品が偽ブランド品だったという事例も挙げています。ここでは、なぜ見分けにくいのか、どこを見れば気づけるのか、そして注文してしまったときに何から動けばよいのかを、警察庁や消費者庁、国民生活センター、JC3(日本サイバー犯罪対策センター)の公的情報をもとに整理します。
偽通販サイトが見分けにくい仕組み
偽通販サイトが本物らしく見えるのは、正規サイトの構成要素を流用しているからです。消費者庁は、実在する通信販売サイトを装った偽サイトについて注意喚起を行っており、警察庁も別途、偽ショッピングサイト対策の情報を公開しています。商号やロゴ、商品写真、ページの体裁を取り込めば、購入者が一見して見抜くのは困難になります。
誘い込みの中心は価格です。消費者庁は商品価格が極端に安くないかを確認するよう促し、警察庁は、価格が極端に安くないか、割引率が大きくないかを確認するよう促しています。安さに加えて、品薄や本日限りといった購入を急がせる表示を組み合わせ、購入者が落ち着いて確認する前に注文と支払いへ進ませようとします。
被害は、代金を支払った後に商品が届かない、または注文した商品とは異なる偽物が届く形で気づくことが多くなります。代金引換の場合は、受け取って支払った後に中身が偽物だったと気づく流れもあります。クレジットカード情報を入力していた場合は、その情報が悪用されるおそれも生じます。
URLや支払い方法から見抜く方法
公的情報で共通して挙げられている手がかりを、購入手続きに進む前に確認していきます。国民生活センターは令和5年1月の注意喚起で、最近の偽サイトの見分け方を具体的に示しています。
購入前に確認したいポイント
- URLが正規サイトの表記と少しだけ異なっていないか。ブランドの正式な英語表記とつづりが微妙に違う場合があります
- 日本語の字体や文章表現が不自然でないか。単なる誤記とは考えにくい不自然さが手がかりになります
- 事業者の氏名や名称、住所、電話番号が会社概要に記載されているか。記載があっても検索で実在を確かめます
- 事業者への連絡手段が問い合わせフォームやフリーメールだけに限られていないか
- 支払い方法が銀行口座への前払いのみなどに限定されていないか。個人名義口座への振り込みを案内される場合は警戒します
- 商品価格が極端に安くないか、割引率が大きすぎないか。品薄や本日限りなど購入を急がせる表示がないか
支払い方法には注意したい傾向があります。JC3は、クレジットカード決済が可能と書かれていても、決済の段階で銀行振込のみに限定されることが多いと説明しています。さらに、案内される振込先が法人口座ではなく個人名義の口座で、その名義が会社概要に記載された代表者と異なる場合が多いとされています。住所についても、架空の情報や実在する別の会社を装っている例があるため、記載があるかどうかだけでなく、その内容を検索で確かめることが役立ちます。
ドメインにも傾向があります。JC3が2022年に行った調査では、偽ショッピングサイトのURLに「.xyz」や「.top」といったトップレベルドメイン(ドメイン末尾)が使われていることが多いと報告されています。ただし、こうした末尾のドメインがすべて偽サイトというわけではなく、TLDだけで安全性を判断することはできません。ひとつの目安として、ほかの手がかりと合わせて見ます。
検索結果の上位に表示されていても安全とは限りません。SNSの広告や検索経由でたどり着いたサイトでは、上記の手がかりを一通り確認する習慣が、被害を避ける助けになります。
アクセス前にサイトの信ぴょう性を照合する
判断に迷うサイトは、JC3が情報提供する確認サイトSAGICHECK(サギチェック)で照合できます。SAGICHECKは、アクセスする前にウェブサイトが信頼できるかどうかを確認するためのサービスで、利用は無料です。JC3が情報提供した日本語の偽ショッピングサイトは、安全ではないサイトとして表示されます。
使い方は、確認したいサイトのURLを入力して判定結果を見るというものです。SAGICHECK自身が、判定結果は完璧ではなく、あくまで自身の判断の参考として利用するよう案内しています。判定が安全寄りであっても、URLや支払い方法など手元の手がかりと合わせて総合的に判断します。
あわせて、購入は公式サイトや正規のアプリからアクセスして行うことが基本です。広告やメールのリンクから誘導された偽サイトで情報を入力させる手口は、フィッシングと共通しています。
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注文してしまったときの初動と相談窓口
支払いを済ませた後で偽サイトと気づいた場合は、被害を最小限にするために落ち着いて順番に動きます。
注文後に偽サイトと気づいたときの手順
- 1
証拠を保全します。サイトのURL、注文画面、確認メール、振込やカード決済の記録を、画面の保存や印刷で残します
- 2
銀行振込をしてしまった場合は、振込先の金融機関へ直ちに連絡し、口座凍結など被害回復について相談します。あわせて警察へも届け出ます
- 3
クレジットカード番号を入力した場合は、カード会社へ連絡して支払いの停止を依頼します。利用明細も定期的に確認し、身に覚えのない請求がないかを早めに把握します
- 4
IDやパスワードを入力した場合は、そのIDとパスワードを使っている全てのサービスでパスワードを変更します
- 5
代金引換で受け取る前なら、注文内容と相手をもう一度確認し、不審であれば受け取りを拒否します
- 6
警察のサイバー犯罪相談窓口へ、証拠の資料を持参して通報や相談をします。事前の電話連絡があると対応がスムーズになります
- 7
消費生活センターへ相談します。お住まいの地域の窓口へは、消費者ホットライン188(いやや)からつながります
消費者ホットライン188は全国共通の電話番号で、かけると地域の消費生活センターや相談窓口を案内してくれます。相談自体は無料ですが、窓口につながった時点から通話料金がかかります。被害の状況や相手への連絡可否によって取りうる対応は変わるため、一人で抱え込まずに早めに相談することが、次の一手を決める助けになります。
カード情報やIDを入力してしまった場合の備えは、フィッシング被害への対応と重なります。
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価格や割引率の確認は警察庁「偽ショッピングサイト・詐欺サイト対策」、極端に安い価格への注意は消費者庁「偽サイトにご注意ください」に基づきます。URLや日本語、会社情報、連絡手段、支払い方法の限定といった見分け方は、国民生活センターの令和5年1月の注意喚起と消費者庁のページを参照しています。代金引換も詐欺の手口に含まれる点と相談が増えている点は、国民生活センターの令和7年8月の注意喚起によります。決済時に銀行振込へ限定される傾向や個人名義口座の案内、2022年の調査による「.xyz」「.top」などのドメインの傾向はJC3「偽ショッピングサイトに注意」に基づきます。SAGICHECKが無料で、JC3が情報提供した偽サイトを安全でないサイトとして表示する点はJC3のお知らせ、消費者ホットライン188の仕組みと通話料の扱いは消費者庁のページに基づきます。被害件数や金額などの統計は、執筆時点で公的な一次情報として確実に確認できた数値に限る方針のため、本記事では具体的な件数を記載していません。
偽通販サイトは、正規サイトの見た目を借りて安さで引き寄せ、代金を支払った後に商品が届かない、または偽物が届く手口です。URLや日本語、会社情報、支払い方法といった手がかりを購入前に一通り確認し、迷うときはSAGICHECKで照合する習慣が、被害を避ける近道になります。もし注文してしまっても、証拠を残してカード会社や金融機関、警察や消費生活センターへ早めに相談すれば、取りうる対応が見えてきます。
出典・参考
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